この曲はロベルト・シューマン作曲による歌曲 Widmung (献呈)をフランツ・リストがピアノ独奏用に編曲したものです。

 

よって、ピアニストが歌詞を持つことのできる数少ない曲のひとつです。

詩はリュッケルトによるものですがもともとタイトルは付いていませんでした。

その歌詞はこう始まります。

貴方は私の魂、私の心

貴方は私の幸せ、私の苦しみ…

貴方」は「」の全てであると、ひたすら比喩表現でありとあらゆる事象を用いて恋心を書き連ねています。

それに呼応して音楽も時に静かに、時に激しく感情をむき出しにします。

 

波打つ鼓動や静かな幸福感、ドラマティックな高揚感や抑えようのない不安などの、恋愛において誰もが経験するであろう数々の心の在り方とその浮き沈みが見事に表現されています。

 

この曲は間違いなく世界で最も有名な編曲作品のひとつです。

原作の魅力を損なわず、かつより具体的に人間の心理描写を作り上げることに成功している数少ない例です。恋心という、誰にでも共通の題材が故に成り立った偉業ではないでしょうか。

 

ピアノ独奏バージョンを聴くにあたっても歌詞を胸において聞くのとそうでない場合では感動の深さが異なります。

自分の経験と音楽がシンクロして、強く心を揺さぶります。是非歌詞を一度読んでから聞いていただきたい名曲です。

 

こちらのリンクでは世界的に有名なピアニスト、ランランの動画を紹介します。他のピアニストの動画と見比べて楽しむのもおすすめです。

Lang Lang – Widmung (Schumann, Liszt)